2018年12月28日の東京マーケットワイドで、マーケットアナリストの中嶋健吉さんが、下記の内容について話されていました。
今回の急落及び急伸は、自動売買のアルゴリズム取引が原因と言われていますが、アルゴリズム取引とは、あらかじめコンピュータに組み入れてある数理モデル、もしくは、予見モデルを使って、コンピュータ自らが判断して、自動売買を行う仕組みです。
つまり、事前に希望する株数、値段などを設定している数理モデル等があり、それに対して、様々な予見を入れていき、例えば、円が20銭円高になったら、日経平均先物を何枚売る、または、買うと言う設定になっているそうです。
株式市場で言われている上がる、下がる、利上げ、利下げ、円高、円安、政治不安などの文言により、株式市場に与える影響度を、AIを(人工知能)を使って分析をしている様です。
例えば、決算発表後に、瞬時に株価が上がったり、下がったりするのは、決算発表の予想数値が、数理モデルに組み込まれていて、その数値に対して、良かったのか、悪かったのか、または、どの程度良いか、悪いかにより、買う株数、売る株数の値段等が決めてあり、決算発表が出た時点で、この数理モデルが一気に反応する様になっているとの事です。
元々、このシステムは、証券会社が自己勘定取引の為に作ったそうですが、執行コストが非常に安いので、最終投資家にも、この仕様が広がっている様です。
2000年初頭にアルゴリズム取引が出て、2004年から2005年にかけて本格的にアメリカで普及しはじめて、今ではアメリカの機関投資家のほとんどすべて、500億ドル(5兆から6兆円)の売買を、アルゴリズムを使って行っているとの事です。
尚、ニューヨークマーケットの日々の売買の80%は、アルゴリズム取引で行われている様です。
日本では、リーマンショックの少し前の2007年から2008年位から、アルゴリズム取引が浸透しはじめて、リーマンショックの時も、このアルゴリズム取引が働いたので、急激な下落になったそうです。
日本の場合でも、約6割から7割がアルゴリズム取引で売買されていて、ヨーロッパでも、日本と同様になってきているそうです。
そして、このアルゴリズム売買をする時には、銘柄に落とし込む必要があり、各銘柄にはこれまで続いてきた一連の癖があり、これもアルゴリズム取引には重要で、これら癖を分析して、値段の動きの癖の様なものが、コンピュータに入ってきて、当然発注は、幅広く撒くように行われ、キックデータと言われる1円刻みのよる売買が出てくる事になります。
この様な売買を瞬時に行うには、売買が高速でなければならないので、高速取引が行われる様になり、日本の場合は、東証のサーバーの横に、それぞれの業者がサーバーを置いて、物理的な距離を短くしているそうです。
2月5日、6日に日経平均株価が暴落した時も、ニューヨーク・ダウは、5日の引け前に、700ドル以上一気に売られたのは、アルゴリズム取引によるもので、翌日の6日の日経平均株価も、最終的には、1,000円以上の下げになったそうで、今回の下落も全く同じパターンだったとの事です。
アルゴリズム取引が出た場合のロウソク足の動きは、戻りの動きはなく、売るから下がり、これだけ下がったのだから、また、更に決まっている売りが出てくるので、ほとんど、ロウソク足は、陽線が出ずに、一気に陰線が連続して現れるそうです。
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