2018年8月14日のNewsモーニングサテライトで、野村證券の池田雄之輔さんが、下記の内容について話されていました。
ユーロ安に比べると、ドルは安定している様に見えますが、これだけ世界的にリスクオフになっているのに、ドルが崩れていない理由は、3つあるそうです。
●米国株が持ちこたえている
アメリカ株は、8月13日も続落となっていますが、小幅な下落に留まっていて、これが、全体的なリスクオフが行き過ぎない様に、歯止め役になっているとの事です。
●円売りポジションが小さい
短期のポジション動向は、円の空売り(ショートポジション)があまり大きくなっていないので、円の買い戻しが発生しにくい状況の様です。
●機会的なドル買い
ユーロが売られた時に、機会的にドルを買う人達が、対ユーロ以外でも全面的にドルを買ってしまうので、結果的に、ドル円にも下支えの効果が表れているそうです。
トルコリラ急落の他通貨への波及は、先進国通貨では、ユーロ安になっていますが、新興国通貨では、13日には、南アフリカのランドが大きく下げる様な展開になっています。但し、他の通貨全体に波及する事は、今後無いと考えられるそうです。
基礎的な通貨の強さ弱さを、経常収支の対GDP比で見てみると、6月にIMFの支援を仰ぐ事になったアルゼンチンや、トルコ、南アフリカなどは、脆弱となっていますが、タイ、韓国、マレーシア、ロシア、中国、メキシコ、インド、インドネシアなどは、比較的安定している様で、特に、トルコの場合は、エルドラン大統領が、中央銀行の政策に介入するという、異例の政策をやっているので、一般論として、新興市場通貨に調整圧力が働くとは、考えられないとの事です。
EUの金融機関へのダメージは、ある程度あるにしても、ECBの政策を根本から覆す事は無いと考えられるので、ユーロ円は、現在の126円位から、秋口には、1ユーロ130円位まで、回復できると考えているそうです。