2018年7月17日のNewsモーニングサテライトで、JPモルガン・チェース銀行の佐々木融さんが、下記の内容について話されていました。
先週、オーストラリアと、シンガポールに行かれて、投資家さん達と話す機会があったそうですが、質問が多かったのが、「米中貿易戦争で、どちらかと言えばリスクオフなのに、なぜ、円安が進んでいるのか」と言う内容だったそうです。
主要通貨の対円の7月の騰落率を見てみると、スウェーデン・クローナ、豪ドル、英ポンド、NZドル、ユーロ、米ドル、カナダドルの全てが、円安の状況となっていて、主要通貨で、円より弱いのは、トルコドルだけで、円の独歩安が鮮明になっている様です。
■円安の要因
●市場が貿易戦争に楽観的
市場が貿易戦争に楽観的な見方をしていて、IMMのデータを見ても、じわじわと円のショート・ポジションが膨らんでいるし、先週は、株価が相当上がったので、リスクオンの状態の様です。
●日本企業による対外直接投資関連の円売り
対外直接投資は、昨年過去最高を記録したそうで、今年も高水準に推移している様です。
●日本の投資家による対外株式投資の拡大
毎月の日本人投資家の外国株投資を見ると、直近3ヶ月連続で、1兆円以上の外国株の買い越しが続いているので、これに伴う円売りも出ていて、円が弱くなっているとの事です。
しかし、今後のドル円で円安が続くのは難しいと考えているそうで、このままリスクオンのムードが続いたとしても、ドルは、ファンディング通貨なので、そのままドルが強くなっていくのは、難しい様で、リスクオンの場合は、ドル安、円安で、ドル円の上値は重くなるそうです。
逆に、リスクオフになってくると、円が弱いままでは維持できないと思うので、円高ドル高になってくるので、ドル円が大きくレンジを抜けて、動くと言うのは引き続き難しいと考えているそうです。