比較的に安全・有利に運用できる金融商品 ”ゼロクーポン債” 日経プラス10

2018年8月16日の「日経プラス10」で、元ゴールドマン・サックス証券で、ゴールドハーツ代表の杉山暢達さんが、下記の内容について話されていました。

年金だけでは心許無い(こころもとない)老後の資金ですが、大きなリスクを取って、一攫千金を狙っても、老後の資金を失っては、元も子もありません。

そこで、本業を犠牲にせずに、資金形成を助けてくれるのが、アメリカ政府が発行する米国債だそうです。

個人の方々には、米国債の認知度が低いそうで、その為、杉山暢達さんの著書の「証券会社がひた隠す米国債投資法」は、初心者の将来資金の不安を、解消する為に書いた本だそうです。

この米国債は、手数料が低いので、証券会社の方々が積極的に売ってくれる商品ではないそうです。

初心者の方々は、資産形成について大きな誤解をされている方が多い様で、金融機関に任せれば、全てがうまくいくわけではなく、特に、証券会社に行って、「全ておまかせします」と言ってしまうと、一部の例外を除いて、結果としては、いいようにやられてしまうとの事です。

■アメリカ国債とは
●アメリカ政府が発行
国債は、債券の一種で、アメリカ政府の借金です。

●海外投資家や、外国政府のドル資金の有力な運用先
世界の運用のど真ん中にいるのが、米国債になる様です。

●債券なので、購入時に利回り確定
この債券の一番のメリットは、購入した時点で利回りが確定します。
債券には満期があり、満期に額面金額で、償還(しょうかん)されます。
償還までの間は、債券価格は、上下しますが、基本的に満期まで持ってしまえば、投資に対するリターンは確定できるそうです。

■ゼロクーポン債のイメージ(アメリカ国債の中でもオススメの商品)
一番長い債券は、30年で、償還時には、額面金額100%で償還されます。
本来、債券の場合は、1年毎に、金利を受け取る事ができるのですが、ゼロクーポン債の場合は、途中で本来もらえるはずの金利がもらえない分、購入時に、償還時にもらえるお金よりも、かなりお安い値段で、購入する事ができるそうです。

日本語では、割引債と言われるものがありますが、ゼロクーポン債は、これと同じグループだそうです。

■8月16日の午前9時時点でのゼロクーポン債の残存期間別利回り(野村證券さんのデータ)
●残存年月20年8ヶ月、購入単価(額面100に対する%)56.92%、利回り2.73%
●残存年月21年5ヶ月、購入単価(額面100に対する%)55.58%、利回り2.75%
●残存年月23年5ヶ月、購入単価(額面100に対する%)52.06%、利回り2.79%
●残存年月25年5ヶ月、購入単価(額面100に対する%)48.95%、利回り2.82%
●残存年月27年5ヶ月、購入単価(額面100に対する%)46.09%、利回り2.83%

杉山暢達さんが、オススメするのが、この20年から30年位のゼロクーポン債で、この期間のゼロクーポン債が、健全な資産形成に、一番適していると考えているそうです。

今は、20年でも、27年でもそれほど、利回りはかわりませんが、購入単価をみると、残存年月27年5ヶ月の商品では、100に対して、46.09%となっているので、例えば、償還した時に、1万ドル(約111万円)もらえる債券が、8月16日に買いに行ったら、4,609ドル(約51万円)で購入できます。

例えば、今35歳の人が、30年後に、償還金額約1万ドル(税抜き)を確定した時には、今だと、4,609ドル(約51万円)で購入できます。

尚、途中で解約すると、損する場合が多い様で、期中の利息はありません。この1万ドル(税抜き)は、税金を加味した後でも、十分なリターンが得られるそうです。

投資の上級者や、毎日売買を行いたい人にとっては、ゼロクーポン債は、退屈極まりない商品ですが、本業のお仕事がお忙しい初心者の方には、ほったらかしで、コストをほとんどかけずに、償還まで、利回りが確定するオススメの商品との事です。

但し、外貨建て投資だと、気になるのが、為替リスクですが、残存年月20年8ヶ月のゼロクーポン債を買いに行くと、5,692ドル(60万円強)で買って、それが、1万ドルで戻ってくるので、もし、ドル円レートが、62円位まで、円高が進むと、投資した金額が、元本割れてしまう事があります。

そして、残存年月27年5ヶ月のゼロクーポン債を買いに行った場合は、4,609ドル(51万円強)で買って、それが、1万ドルで戻ってくるので、もし、25年後にドル円レートが、50円位まで、円高となり、更に円高に進むと、投資した金額が、元本割れてしまう事があります。

ただ、日本経済新聞編集委員の鈴木亮さんの話では、1ドル150円はあっても、1ドル50円になるとは、考えられないそうで、投資商品としては、安定感のある商品だと考えられるそうです。

もう一つのリスクとしては、アメリカ合衆国が、20年から25年後に破綻してしまうリスクで、理論上は、ゼロではないので、アメリカの破綻及び1ドル50円から62円になるリスクをどう捉えるかにより、投資するか、しないかが決まってくるとの事です。

日経プラス10 | BSテレ東

    



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