円高に強い及び弱い銘柄 日経プラス10

2019年8月8日の「日経プラス10」で、松井証券 営業推進部 シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎さんが、下記の内容について話されていました。

世界的に景気に対する不安感が強まっているので、金利が低下傾向にありますが、アメリカはまだ金利が高いので、下げ幅の余地があります。
しかし、日本は、異次元緩和で、マイナス金利となっているので、これ以上は下げの余地が無い為、結果的に日米間の金利幅が縮小して、円高に振れやすい環境にあります。

為替 ドル円 リアルタイムチャート

日経平均株価は、一般的には、円高になると、輸出関連銘柄が下落して、輸入関連銘柄が上昇すると考えられますが、円高で下げやすい銘柄と、下げずらい銘柄は下記の通りです。

■円高で株価が下がりやすい銘柄(時価総額5,000億円以上の企業の36ヶ月の為替の感応度)

下記のデータは、為替が1%円高になった時に、株価がどの様な動きになるかを示したもので、マイナス幅が大きいほど、株価が値下がりしやすい銘柄となります。

1位 シャープ(業種:電気機器) 円高感応度-2.535
シャープ(株)【6753】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

2位 三菱UFJ FG(業種:銀行業) 円高感応度-2.339
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

3位 第一生命HD(業種:保険業) 円高感応度-2.188
第一生命ホールディングス(株)【8750】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

4位 ルネサスエレクトロニクス(業種:電気機器) 円高感応度-2.169
ルネサスエレクトロニクス(株)【6723】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

5位 野村HD(業種:証券・商品先物取引業) 円高感応度-2.122
野村ホールディングス(株)【8604】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

6位 ファーストリテイリング(業種:小売業) 円高感応度-2.112
(株)ファーストリテイリング【9983】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

7位 りそなHD(業種:銀行業) 円高感応度-2.082
(株)りそなホールディングス【8308】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

8位 国際石油開発帝石(業種:鉱業) 円高感応度-2.072
国際石油開発帝石(株)【1605】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

9位 出光興産(業種:石油・石炭製品) 円高感応度-2.059
出光興産(株)【5019】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

10位 清水建設(業種:建設業) 円高感応度-2.015 
清水建設(株)【1803】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

上記の銘柄を見ると、円高で株価が値下がりするのは、シャープやルネサスエレクトロニクスなどの輸出企業だけではなく、三菱UFJ FG、第一生命HD、野村HDなどの金融株も含まれていて、ドル円が円高に振れると言う事は、世界的に見て金利が低下しやすい状況となっている事で、金融機関は、金利が下がってしまうと、利ざやが取りにくくなるので、金融株も売られやすくなります。

ユニクロを運営しているファーストリテイリングは、海外で生産しているので、円高には強い銘柄とも考えられますが、日経平均を構成する一番大きな銘柄なので、日経平均先物が売られると、ファーストリテイリング株は下落する事となり、円高感応度が高くなっています。

■円高で株価が上がりやすい銘柄(時価総額5,000億円以上の企業の36ヶ月の為替の感応度)

下記のデータは、為替が1%円高になった時に、株価がどの様な動きになるかを示したもので、プラス幅が大きいほど、値上がりしやすい銘柄となります。

1位 スクウェア・エニックスHD(業種:情報・通信業) 円高感応度0.887
(株)スクウェア・エニックス・ホールディングス【9684】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

2位 ネクソン(業種:情報・通信業) 円高感応度0.859
(株)ネクソン【3659】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

3位 コーセー(業種:化学) 円高感応度0.566
(株)コーセー【4922】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

4位 任天堂(業種:その他製品) 円高感応度0.562
任天堂(株)【7974】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

5位 ニトリHD(業種:証券・小売業) 円高感応度0.546
(株)ニトリホールディングス【9843】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

6位 エムスリー(業種:サービス業) 円高感応度0.464
エムスリー(株)【2413】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

7位 MonotaRO(業種:小売業) 円高感応度0.354
(株)MonotaRO【3064】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

8位 アサヒグループHD(業種:食料品) 円高感応度0.349
アサヒグループホールディングス(株)【2502】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

9位 シスメックス(業種:電気機器) 円高感応度0.285
シスメックス(株)【6869】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

10位 オービック(業種:情報・通信業) 円高感応度0.281 
(株)オービック【4684】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

スクエア・エニックスHD、ネクソン、任天堂などのゲーム関連株は、需要が安定しやすい傾向がある様で、円高環境でも値上がりしやすい状況となっています。

ニトリHDは、家具などを海外で生産して輸入しているので、円高にも強く、アサヒグループHDも、ビールの原材料などを輸入しているので、データを見る限りは、円高がプラスに反応する形となっています。

世界的には、景気が不安定化しているので、安定した債券市場にお金が流れやすくなり、金利が低下しているので、これ以上の金利の低下はあまり見込めない状況とも言えますが、相対的には、円高が続くと考えられる様です。

日経プラス10 | BSテレ東



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