2018年12月18日の東京マーケットワイドで、マーケットアナリストの荒野 浩さんが、下記の内容について話されていました。
2017年のPBR(株価純資産倍率)の最低は、4月の安値時の1.21倍でした。
2018年は、9月までは、1.18倍が下限で、1.18倍を下回ったのは、3月23日の1.15倍と、3月26日の1.16倍の2日のみで、この時は、ドル円が105円を割り込んだからの様です。
しかし、10月25日に、日経平均株価は、800円安となり、PBR1.18倍を割り込んでからは、12月18日まで、一度も1.18倍を超える事が出来ない状態で、上半期は、PBR1.18倍が下限でしたが、下半期は、PBR1.18倍が上限となってしまっていて、株と同じで、下値抵抗線が、上値抵抗線になってしまった様です。
そして、PBR1.18倍を割り込んでいる期間のPER（株価収益率）は、11.86倍から12.27倍になっていて、13倍までも行けない状況となっています。
このPER12.27倍が上限となってしまっている理由は、PBRを求めるには、PBR＝PER X ROE（株主資本利益率）なので、PBRが1.18倍を超えられずに、12月17日の予想ROEが9.23%なので、これを前提とすれば、PBR1.18倍を超えない場合は、PERが12.78倍となるので、しばらくは、株価が上昇しても、PER12.78倍が上値抵抗となってしまう様です。
尚、今の日経平均EPSが1,789なので、PER12.78倍では、日経平均株価の上限は、22,863円前後となります。
成長していない国で、PERを全面に押し出す事はできないそうですが、PBR（一株辺り純資産）は、これまで積み上げてきた実績なので、これは現実なので、確実に企業を評価して良い指標だそうです。
下記のデータが、日経平均株価ベースの月中平均の1株当たり純資産と、PBRの推移です。
●2017年12月は、1株当たり純資産が17,293円で、平均PBRが1.32倍
●2018年1月は、1株当たり純資産が17,348円で、平均PBRが1.37倍
●2018年2月は、1株当たり純資産が17,660円で、平均PBRが1.24倍
●2018年3月は、1株当たり純資産が17,972円で、平均PBRが1.19倍
●2018年4月は、1株当たり純資産が18,133円で、平均PBRが1.21倍
●2018年5月は、1株当たり純資産が18,148円で、平均PBRが1.24倍
●2018年6月は、1株当たり純資産が18,315円で、平均PBRが1.23倍
●2018年7月は、1株当たり純資産が18,357円で、平均PBRが1.21倍
●2018年8月は、1株当たり純資産が18,583円で、平均PBRが1.21倍
●2018年9月は、1株当たり純資産が18,845円で、平均PBRが1.23倍
●2018年10月は、1株当たり純資産が18,717円で、平均PBRが1.21倍
●2018年11月は、1株当たり純資産が19,221円で、平均PBRが1.14倍
上記のデータを見ると、1株当たり純資産は、2017年12月から2018年11月まで、12％から13%位上がっていて、今の実績は、去年度の実績なので、去年は大幅増益だったので、この様な結果となっていますが、ROE10%前提とすれば、1株当たり純資産は、足元では、19,300円位になっているので、19,300円から、10%増えるとするならば、来年の今頃は、1株当たり純資産は、21,000円位まで上昇する事となり、今の日経平均株価21,000円が岩盤と言うのは、1年後の企業の姿を考えたら、当然、これ以上は売り込んではいけないという事になる様です。
12月17日の夜間取引で、日経平均先物CMEで、21,000円を割りましたが、その時の下値で計算すると、PBRは、1.08倍となり、これは売られ過ぎと考えられるそうです。
その為、21,000円は、大きくは下回らないと考えられるそうで、例え21,000円を下回ったとしても、瞬間で戻るとの様で、現状は、下値を模索している最終局面の様です。
この様な観点からも、現状は、PERではなく、PBRを重視すべきだそうです。
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