中間決算の見どころは自社株買い 日経モーニングプラス

2016年10月20日の日経モーニングプラスで、ニッセイ基礎研究所の井出 真吾さんが「中間決算の見どころは自社株買い」について話されていました。

自社株買いに注目していて、ここ数年自社株買いが非常に増えていて、2012年度は、2.3兆円から、2015年は、5.8兆円まで、約2.5倍増えている。

2016年の上期は、2.6兆円で、昨年の上期と同じ金額で、このペースが続くと、この先、3兆円位は、自社株買いを期待しても良いと考えている。

企業が自社株買いを行う理由は、2つあり、自社株買いを実施すると、発行済株式数が減ったと解釈され、その為、企業の利益は全く変わらなくても、計算上は、1株当たりの利益が増える事となり、株式の価値が上がる。

もう一つは、財務面の話で、自社株買いをすると、自己資本が減るので、その分、ROE(自己資金利益率)が上がる事となり、ROEが上がれば、株価が上がるので、投資家に取ってメリットがある。企業にとってもROEが上がると言うことは、経営効率が良いと言うことなので、自社株買いは、株式の価値が上がり、株主還元ができると言うことと、ROEを上げて、経営環境を良くすると言うことが、同時にできるので、利用が広がっていると考えられるそうです。

自社株買いの季節は、自社株買いを発表するのは、4月から6月が多く、日本の企業は、3月決算が7割位あり、自社株買いは、自由に行うことはできなくなっていて、既に終わった期、実績が出ている期までに溜まった現金を、自社株買いに回すことができるので、3月の本決算をしめて、配当金を決めて、同時に自社株買いの金額を決めて発表する。

そして、その後、夏場一旦減りますが、また、秋から増えてきて、中間決算を発表する時と、年度末に向けて発表することが多く、理由は、今期の決算の着地点がだいたい見えてくるので、今年も赤字転落はなさそうだと考えた場合に、去年までに儲けた金額のうち、どれだけ自社株買いに回すかと言うことが決められる。

今年の秋は、まだ1件も発表されていないので、中間決算が出た時点で、発表されると考えられる。

企業が自社株を買っていくタイミングは、大きく3つのパターンがあり、投資家としては、企業が買う前に自分で株を買っておきたいので、1つ目が、「じわじわタイプ」で、発表してから、それから何ヶ月かかけて買っていくタイプで、コムシスHD、TOKAI,日化薬、メルコなどがこのタイプでした。

2つ目は、「速攻完結タイプ」で、発表してから、1ヶ月位で全ての自社株買いを終了してしまうタイプで、コナミHD、アサツーDK、MS&ADなどこのタイプでした。

3つ目は、「オオカミ少年タイプ」で、発表してから、予定額の3割位しか買わなかったりする場合もあり、自社株買いは、あくまで予定なので、買わなくてはいけない義務な無い。企業は、買わなくても良いが、投資家としては、残念な事で、この様な企業の株は、買わない方が良い。

一番投資家にとって良いのは、「じわじわタイプ」で、このタイプは、需給を下支えし続けますので、この様な企業を見つけるには、去年、一昨年どの様な形で、自社株買いを行ったか、前例を確認する事で、企業によって、どの様な形で買うかが分かれます。その為、実績を見ていくことが重要となります。

2015年の主な「じわじわタイプ」銘柄(3ヶ月以上かけて、買い付けたうち時価総額上位10社)は、HOYA、小林製薬、カカクコム、丸井G、コムシスHD、TIS、日化薬、大同特鋼、住友べ、DCMでした。

尚、コムシスHDは、去年だけでなく、一昨年もじわじわ買ったそうです。その為、コムシスHDが今年も自社株買いを発表したら、期待が持てるそうです。

但し、じわじわ買わなければいけないことはないので、コムシスHDが、、「速攻完結タイプ」になってしまうかもしれません。それを、どうやって見極めるかというと、企業がホームページで、自社株買いの実施状況を毎月公表する事が多いので、それを見て、「全て買ってしまったのか」、「まだあまり買っていないのか」と言うことを把握して、投資すると良いそうです。

日経モーニングプラス|BSテレ東

    



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