第1四半期決算の上方修正は、平均8%の企業 日経モーニングプラス

2018年6月26日の日経モーニングプラスで、ニッセイ基礎研究所の井出 真吾さんが、下記の内容について話されていました。

TOPIX主要500社のうち、3月決算の企業が、300社あるそうですが、その中で、4から6月期(第1四半期)決算で上方修正している企業は、過去10年で見ると、全体の8%位だそうで、2017年は、9%だったそうです。

業績の上方修正をすると、その直後から株価が上がるのが一般的ですが、過去10年で、第1四半期決算で上方修正した企業の8%のうち、中間決算でも58%の企業は、更に上方修正しているそうで、これらの企業は、残り9ヶ月に相当の自信があるので、第1四半期決算で、上方修正していると言う事が、言える様です。

また、企業が、決算を下方修正した場合は、材料出尽くしで、株価が上昇する事もあるのですが、過去10年で、第1四半期決算で下方修正した企業の4%のうち、中間決算でも56%の企業は、更に下方修正しているそうで、本当に材料が出尽くしかどうかを、良く見極める必要があるとの事です。

■過去10年で、経常利益の上方修正回数が多い企業
●国際石油開発帝石:第1四半期決算で8回上方修正、このうち中間決算でも6回上方修正
国際石油開発帝石(株)【1605】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●小糸製作所:第1四半期決算で6回上方修正、このうち中間決算でも4回上方修正
(株)小糸製作所【7276】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●豊田自動織機:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも5回上方修正
(株)豊田自動織機【6201】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●三井化学:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも4回上方修正
三井化学(株)【4183】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●東海理化電機製作所:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも4回上方修正
(株)東海理化【6995】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●デンソー:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも3回上方修正
(株)デンソー【6902】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●日本電産:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも3回上方修正
日本電産(株)【6594】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●丸一鋼管:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも3回上方修正
丸一鋼管(株)【5463】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●大和工業:第1四半期決算で5回上方修正、このうち中間決算でも2回上方修正
大和工業(株)【5444】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

経常利益の上方修正回数が多いのは、石油関連企業や、自動車関連企業などだそうで、石油関連企業は、原油の価格次第で、業績が良くなったり、悪くなったりしますので、年度初めの時点では、控え目な予想を出しておく事が多い様です。つまり、原油価格が下がったので、下方修正したり、赤字を出すのが嫌なので、経営者としては、最初は控え目に出すとの事です。

自動車関連企業の場合は、年度の最初に良い業績予想を出すと、その後で、自動車の完成車メーカーから、値引き交渉を受けやすくなってしまうので、最初は控え目に出すとの事です。

しかし、アメリカが、輸入自動車に25%の関税をかけた場合には、自動車メーカー全体では、1兆円位の営業利益が吹き飛んでしまうと言う試算もある様で、今年に関しては、去年までとは状況が違うかもしれないとの事です。もし、第1四半期決算のタイミングで、上方修正する企業であれば、相当自信があると言う事になります。

下記の企業の想定為替レートを見ると、ほとんどの企業がドル円を100円から105円位に設定していて、足元のドル円は、110円位なので、為替レートだけから見ると、貿易摩擦懸念があっても、上方修正する可能性もある様です。

■今期の経常利益と、想定為替レート
●国際石油開発帝石:会社予想3,710億円、市場予想4,431億円、為替105円
●小糸製作所:会社予想1,000億円、市場予想1,128億円
●豊田自動織機:会社予想1,890億円、市場予想2,051億円、為替105円
●三井化学:会社予想1,120億円、市場予想1,197億円、為替105円
●東海理化電機製作所:会社予想290億円、市場予想323億円、為替105円
●デンソー:会社予想4,150億円、市場予想4,443億円、為替105円
●日本電産:会社予想1,850億円、市場予想2,040億円、為替100円
●丸一鋼管:会社予想215億円、市場予想219億円、為替107円
●大和工業:会社予想220億円、市場予想244億円、為替102円

2018年6月29日の日経モーニングプラスでは、コモンズ投信 伊井哲朗社長が、下記の内容について話されていました。

アメリカの利上げは、今年は後2回予定していて、下記の内容を見ると、日本企業のドルの想定為替レートは、今年度は、105円位となっていて、ユーロは、125円から130円位となっているので、現在のドル円のレートを考えると、下記の100円で想定為替レートを組んでいる企業は、業績予想を上方修正する可能性があり、中間選挙後は、110円を抜けて円安になる事も考えられるので、株高になる可能性もある様です。

■2018年度 企業の想定為替レート

尚、2018年6月27日時点のドルレート:110.21円、ユーロレート:127.40円

●コマツ:ドル円レート:100円、ユーロ円レート:123円
●日立建機:ドル円レート:100円、ユーロ円レート:120円
●三菱電機:ドル円レート:100円、ユーロ円レート:125円
●セイコーエプソン:ドル円レート:100円、ユーロ円レート:125円
●ファナック:ドル円レート:100円、ユーロ円レート:125円
●ソニー:ドル円レート:105円、ユーロ円レート:125円
●トヨタ:ドル円レート:105円、ユーロ円レート:130円

日経モーニングプラス|BSテレ東

    



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