2019年5月27日の「日経プラス10」で、ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジストの井出 真吾さんが、下記の内容について話されていました。
このところ半導体株の動きが芳しくない様で、アメリカの半導体関連株の株価を表すSOX(ソックス)指数は、4月下旬の高値から、1ヶ月弱で、17.4%下落しています。
フィラデルフィア半導体 SOX指数(英語) PHLX Semiconductor (^SOX) Stock Price, Quote, History & News
そして、日本の市場でも、半導体関連株や、電子部品関連株が下落していて、厳しさが増している様です。
直接的には、米中貿易摩擦の影響がある様ですが、そもそも半導体の売上が、かなり減っていて、世界全体の半導体の3月までの売上高を、前年同月比で見ると、2016年からは、ずっと上昇していましたが、2018年の後半からは下落して、特に年末からは、大きくマイナスに転じているとの事です。
この世界全体の半導体の売上高は、シリコンサイクルと呼ばれ、これまでは、循環していましたので、そろそろ反転上昇しそうな状況にも見える様ですが、まだ今のところは、下げ止まってはいないそうで、5月以降再燃した米中貿易のこじれは、まだ反映されていない状況なので、まだ下がる可能性もある様です。
日本は輸出大国で、世界の景気の影響を大きく受ける為、日本企業は、例年以上に業績見通しを慎重に出していると思いますので、いずれ上振れすると言う期待も持てますが、それが確認できるのは、早くても中間決算が発表される半年先位と思われ、もし、OECD(経済協力開発機構)が言っている様に、世界的な景気が、更に減速していく感じが強まっていく様ですと、ますますハイテク株は、値下がりする可能性もあるとの事です。
一転して、米中の歩み寄りがあれば別の話となりますが、今の時点は、半導体株の上昇は期待できない様で、日経平均株価も、今後は、一進一退の状況が続くと考えているそうです。