2018年9月21日のNewsモーニングサテライトで、大和証券株式会社 投資戦略部シニアストラテジストの石黒英之さんが、下記の内容について話されていました。
株式市場は、その局面毎に、物色の動向が異なるそうですが、期初時点で保守的な見通しを出した年の一株当たり当期純利益(EPS)を見ると、保守的な年は、第1四半期時点では、修正されませんが、中間決算時点で大幅に増額修正する事が多い様で、これまでは、中間決算が本格化する10月から11月に大きく修正しています。
それにともなって、日経平均株価も、上昇に転じる傾向があるそうで、今回もその可能性が高い様です。
理由は、2つあり、上期の業績見通しに対する第1四半期時点の進捗率は、59%と言う事で、過去3年の平均値の50%を大きく上回っている事と、更に、企業の想定為替レートは、105円が多く、実勢レートは、112円程度なので、かなり為替での業績の上振れ余地があるとの事です。
ドル円と海外投資家の持ち高の関係から考えると、7兆円位日本株の持ち高を落とした形になっているので、その分、買い余力があると見ているそうです。
海外投資家は、買い局面では、高ベータ株を選考する事が多いそうで、ベータ値(β値)は、市場全体(株価指数)に対する個別銘柄の感応度を表しますが、例えば、指数が1%動く場合には、もし、2%動く銘柄があれば、ベータ値が2となるそうです。
その為、TOPIXや、日経平均株価などの指数よりも値動きが上下する可能性が高いそうです。
海外投資家が、日本株を買い進める時は、高ベータ株の銘柄群が上昇する確率が高くなる理由は、海外投資家が、指数の上昇率以上の収益機会を求める傾向がある為で、相場の先高感がある場面では、指数に対して、より感応度の高い銘柄が、選ばれる傾向があるとの事です。
高ベータ株の銘柄群の探し方は、下記の日経電子版で確認ができます。
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但し、値動きが大きいと言う事は、リスクも高くなるので、物色の継続性を考えると、業績面の裏付けが欠かせないそうです。
その為、今期来季の営業見通しが増益と、好業績ながらも、年初来下落率の大きい銘柄に着目すると、業種別では、自動車部品、半導体、機械などの出遅れ感が目立っている様です。
貿易戦争の行方には、注意する必要がありますが、この様な銘柄群は、株価が年初来安値近辺にあり、且つ業績面から見た株価の割安感が強まってる銘柄も多いので、海外投資家の買い戻し局面では、指数以上に株価が上昇する可能性もあるそうです。