2019年4月29日のマーケット・アナライズplus+で、株式アナリストの鈴木一之さんが、下記の内容について話されていました。
中国の経済状況は、GDPを見ていても、うまく把握できない事が多いそうで、鈴木一之さんは、下記の項目で把握されている様です。
1.中国・製造業PMI
この中国・製造業PMIは、休みの日でも、月末の最終日に発表されるそうです。
中国の製造業PMIは、購買担当者に景気が良いか悪いかを聞いてまとめている指標で、国家統計局が発表しているPMIと、民間の財新が発表しているPMIがありますが、多少ズレがありますが、動く方向性は同じ様です。
国家統計局が発表しているPMIは、2019年3月末の発表分が、久しぶりに、景気の判断基準とされる50を上回ったので、世界のマーケットでは、リスクオンモードになったそうです。
見方としては、50を上回っているかどうかと、前月よりも下落傾向にあるのか、前月よりも上昇傾向にあるのかが重要で、大きな流れを掴む事で、中国の経済状況が把握できるそうです。
2.コマツの「KOMTRAX」
コマツのホームページのIR資料の中に、「KOMTRAX」というコマツがこれまでに販売した全世界の建設機械のデータがあります。
コマツがこれまでに販売した建設機械が、インターネットに接続されていて、自動的にガソリンタンクが空になったら、無人で給油して、稼働するので、全世界の自社製品の稼働状況を把握しているとの事です。
例えば、ブラジルで、建設機械の稼働状況が良いと、中国からの発注が来ている事が把握できるので、世界的に注目されている様です。
需要・受注・稼働データ|株主・投資家情報|小松製作所 – 建設機械のコマツ
コマツの「KOMTRAX」の中国の1台当たりの月平均稼働時間を見ると、このデータは中国のお休みの春節(年により春節は移動します)を調整していないので、1月や2月に急激にデータが上下に振れる事がありますが、このデータを見ると、昨年の暮れには、かなりデータが落ち込んでいましたが、3月には、上昇しているそうです。
3.ホンダの生産・販売実績
ホンダの生産・販売実績が、月末に発表されますが、この内容により、北米や中国での生産・販売の伸びがわかるそうです。
ホンダの中国の四輪車生産実績を見ると、中国の政策により数値が上下する事がある様ですが、3ヶ月の移動平均で見ると流れがつかめるそうで、今は、マイナスの域に入ってきている様です。
4.その他(安川電機、パンチ工業)
四半期に一度の決算発表で、中国ビジネスを強化している安川電機、パンチ工業などの受注動向などを見ると、中国の経済状況がわかる様です。
上記のデータを見て、現状の中国経済を判断すると、世界中が注目している中国・製造業PMIは、3月5日の全人代が開幕して、33兆円の経済対策行った事で、最新のデータでは、経済にプラスの方向になっている様です。
マーケット・アナライズplus+公式サイト|BS12 トゥエルビ