2018年4月26日の「日経プラス10」で、マネックス証券チーフストラテジストの広木 隆さんが、下記の内容について話されていました。
ドル円は、一ヶ月位前から、円安に動いてきていますが、その後、下記の様な円安になる材料が増えてきてるとの事です。
1.アメリカの長期金利の上昇
前からアメリカの超金利は上がっていましたが、一段と上がり、以前は、ドル円の動きは、金利の上昇と、なかなか連動しなかったですが、金利だけでは、その通貨は高くならないそうで、その金利を評価できる環境が整わなければならないそうで、その環境が整ってきたとの事です。
2.地政学的リスク後退
北朝鮮の地政学的リスクが後退したり、米中の貿易摩擦が、貿易戦争に発展するのではないかと言われていたところからは、温和ムードに変わってきているので、リスクが後退して、リスクが取れる環境になったそうです。
3.新年度で海外投資増
年度が変わったのが大きそうで、期末から新年度の始め位までは、ポジションの調整があるそうで、生保や年金などの国内の投資家の海外投資状況を見ると、株と債権を合わせると、2週連続で1兆円を超えている様で、アメリカの金利が3%位となり、非常に魅力的になったので、対外投資も増えている様で、これが、円安の要因となっているとの事です。
4.巨額M&A観測
武田薬品工業のシャイヤーの7兆円の巨額買収観測などもあり、2016年にあったソフトバンクのアームの3兆円規模の巨額買収と同じ様な状況で、円売り材料となっている様です。
前回アメリカの長期金利が、3%位となった時には、円高になっていましたが、今回は、上記のリスクムードの緩和、年度が変わらないと動けない状況、更には、日銀の根強い出口観測があった為ですが、それが、昨今は、日銀の早期出口論は、封印された状況で、更には、巨額M&A観測などもあり、これらの事が重なって、段々と円安に動いてきているとの事です。