2018年3月29日の「日経プラス10」で、日経ヴェリタス編集長の小栗太さんが、下記の内容について話されていました。
小栗太さんは、3月28日夜に、ドル円相場のチャートを眺めていたそうですが、午後8時位から、円が売られはじめて、一時107円台まで、円安が進みましたが、このきっかけは、トランプ大統領のツイートだったそうです。
中国と、北朝鮮の首脳会談が上手く言ったと言う、中国の習近平国家主席からのメッセージを歓迎する内容だったそうで、北朝鮮情勢の緊張が、和らぐのではないかと言う見方から、ドルを買い戻す動きが強まったそうです。
以前は、ドル円が、「100円を超す円高になってしまうのではないか」と言う見方もありましたが、今後の円相場の今後の見通しは、この北朝鮮情勢の緊張の緩和により、円高圧力が、和らぐきっかけになると、考えているそうです。
そして、今回の円高の材料は、大きく分けて、下記の3つの様です。
1.森友要因
2.貿易摩擦懸念
3.北朝鮮情勢
これらの共通点は、政治リスクが背景にあると言う事で、マーケットでは、この3つが、リスク回避の円高を招く材料だと考えられていましたが、この政治リスクは、意外と長続きしないそうで、リーマンショックの様に、実体経済に悪影響が次々と表面化してくるリスクとは違い、政治リスクは、経済への直接的な悪影響が見えづらい上、急に良い方向に転じる材料が出てきたりする様です。
つまり、漠然とした不安があっても、直ぐに悪材料が見えて来ないので、その後に出てくる材料に、マーケットの目が移ってしまうそうです。
そして、貿易戦争は、起きないと楽観的に見ているそうで、トランプ政権は、秋の中間選挙に向けて、成果が欲しいと考えているので、マーケットは、貿易摩擦は、世界経済にマイナスになると判断して、アメリカ株にとっても、売り材料と判断されています。
しかし、中国や、日本の様な経済大国と、全面的な貿易戦争に突入すれば、トランプ政権も、より所にしているアメリカの好調な株価が崩れかねないそうです。
実際に、中国との間で、貿易交渉の可能性を匂わせたのも、落とし所を探る狙いがあったと考えられるそうです。
直ぐに円安に転じるのは、難しいとの事ですが、次第にマーケットへの悪影響も薄れてくると、考えているそうです。