2018年11月22日の「日経プラス10」で、大和総研経済調査部エコノミストの小林俊介さんが、下記の内容について話されていました。
今年1年間で、アメリカ長期金利は、かなり上がってきていて、この事が、グローバルな株式相場に混乱をもたらしているそうで、このアメリカ長期金利の上昇は、今後は落ち着いて来る様です。
足元で、アメリカ長期金利が落ち着いてきている要因の一つとしては、パウエルFRB議長や、FRBの高官の方々が、2019年の利上げを躊躇する様な発言が出てきている事もある様ですが、もう一つは、需給関係にある様です。
国債の供給が増えて、且つ需要が減ると、国債の価格が下がり、金利が上昇しますが、過去1年間は、この様な事が起こっていたそうです。
国債の供給額から、FRBが購入する需要を差し引いたのが、足元はかなり上昇していて、その結果として、アメリカ長期金利が、かなり上昇していました。
しかし、来年は、減税法案がなさそうなので、赤字国債の発行が抑えられる事で、国債の供給額が抑えられて、FRBの月額の資産圧縮ペースが、今年はかなり加速してきた様ですが、下記の様に、来年からは横ばいになてくるので、そろそろピークが見えてくる様で、金利の上昇が落ちつくと、予想しているそうです。
そして、今年の様に、アメリカ長期金利の上昇が、マーケットに悪影響を及ぼす可能性が減ってくるので、日本株にとっては、好材料となってくるとの事です。
■FRBの月額の資産圧縮ペース
●2017年10月から12月は、総額100億ドルで、米国債60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)40億ドル
●2018年1月から3月は、総額200億ドルで、米国債120億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)80億ドル
●2018年4月から6月は、総額300億ドルで、米国債180億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)120億ドル
●2018年7月から9月は、総額400億ドルで、米国債240億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)160億ドル
●2018年10月から12月は、総額500億ドルで、米国債300億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)200億ドル
●2019年1月からは、総額500億ドルで、米国債300億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)200億ドル