アメリカの中国への追加関税が影響がある日本企業 日経プラス10

2019年5月10日の「日経プラス10」で、キャスターの岸本好正さんが、下記の内容について話されていました。

平成最後の取引の4月26日から、5営業日連続で、日経平均株価は続落していますが、日経平均株価の年初来高値は、4月25日の2万2,307円で、ここから963円下がり、5月10日には、2万1,344円まで下落して、4月以降の1ヶ月間の値上がり益を、すっかり吐き出した形となっています。

そして、為替もこれまでは落ち着いていましたが、現在は、円高に動いていて、109.60円台半ば位まで、2月以来の円高水準となっています。

この原因は、アメリカの中国への追加関税10%から25%への引き上げで、この事が、マーケットを揺さぶっていますが、追加関税は、中国からの輸入に占める2,000億分(約5,700品目)に相当する部分で、その内訳は、輸入額ベースで見ると、機械、電気機器が最大の46%で、この中には、掃除機や、冷蔵庫などの家電が含まれていて、その次が、家具類の15%となって、それ以外も、消費者が買う消費財が多く含まれています。

そして、この動きは、日本にも影響があるそうで、特に、中国で作って、アメリカに輸出している部品や製品を作っている会社の商品も、関税引き上げの対象となっているので、下記の企業に影響があるとの事です。

●小糸製作所:主な対象は、電子基板で、影響額は、年額14億円
(株)小糸製作所【7276】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●マキタ:主な対象は、モーターで、影響額は、年額10億円
(株)マキタ【6586】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●ミツバ:主な対象は、モーター部品で、影響額は、年額5億円
(株)ミツバ【7280】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス
●富士フィルム:主な対象は、カメラ付属品で、影響額は、年額数億円
富士フイルムホールディングス(株)【4901】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

この追加関税で、アメリカは、中国からの輸入品の約半分に25%関税を上乗せした事となり、更に、トランプ大統領は、まもなく残る全輸入品に、25%の追加関税を行うと話しているそうです。

しかし、日本経済新聞編集委員の鈴木亮さんは、過度に心配する必要は無いと考えているそうで、今回の追加関税が、前回3回と決定的に違うのが、即関税がかかると言っても、アメリカに到着するベースではなく、中国から出るベースで、5月10日の午後1時から追加関税がかかるので、船便を使っている製品の場合は、アメリカに届くには、3週間から1ヶ月位かかるので、通関の時差があり、この1ヶ月の間に、米中の交渉が妥結すれば、追加関税を行わなかった事と、同じ事となる様です。

そして、5,000億分全体に25%まで追加関税が行われる可能性がありますが、もし、5,000億分追加関税が行われると、1,250億ドル分関税が増える事となり、アメリカの消費者にとっては、値段が上がるので、アメリカ経済への痛手となると考えられていますが、アメリカの個人の1年間の消費の規模は、14兆ドルなので、1,250億ドル分関税が増えたとしても、1%以下なので、それほど影響が無いと言う見方もある様です。

尚、試算によっては、GDPへの影響は、0.1%位と考えられていて、今後は、適応除外の項目も出てくるので、それほど影響が無いとも、考えられるそうです。

現状アメリカ及び中国の株価の水準は高くなっていて、中国株の上海総合指数場合には、米中貿易摩擦が始まる前の水準まで回復していましたし、中国は、景気対策を行っています。

そして、アメリカ株も過去最高値で推移していましたし、先週の雇用統計を見ても、景気は絶好調なので、トランプ大統領は、中国にファイティングポーズを取って、若干株価が調整しても、大丈夫だとも、考えている様です。

日経プラス10 | BSテレ東



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