2024年8月5日、VIX指数は急上昇し、ニューヨーク時間午前8時37分には65.73を記録しました。これは、通常の市場ではパニックを示唆する非常に高い水準です。この急上昇は、米国株市場の大幅続落や、リセッション(景気後退)懸念からのリスク回避の動きが背景にあります。
また、VIX指数の急騰は、流動性不足やショートカバーといったテクニカル要因によって引き起こされた可能性も指摘されています。市場の現実との結びつきが薄く、一時的に過度に弱気なセンチメントを示したと考えられています。このような状況は、VIX指数が市場のストレスを過大評価した可能性を示唆しています。
VIX指数が急上昇した時期とその理由について、以下のような特徴があります。
コロナショック(2020年): 新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年2月後半から3月にかけてVIX指数は急上昇しました。特に、3月16日にはリーマン・ショック以来初めて80を超え、終値で82.69を記録しました。これは、世界的な株式市場の急落と経済の不確実性が高まったためです。
2022年の市場不安: 2022年には、VIX指数が30を超える場面もありました。この時期は、株価が低迷し、インフレや金利上昇の懸念が市場に影響を与えていました。
2024年の上昇: 2024年4月には、VIXが20に近づく水準まで上昇しました。この上昇は、米国の小売売上高が予想を上回り、利下げ期待が後退したことが影響しています。これにより、米国10年国債利回りが上昇し、市場の不透明感が増したためです.
これらの事例から、VIX指数は市場の不安や不確実性が高まると急上昇する傾向があり、特に経済危機や予想外の経済指標が発表された際に顕著に反応することがわかります。