10月10日のマーケット・アナライズplus+で、元東京IPO編集長 IPOエバンジェリスト 西堀敬さんが、下記の様に以前の実績から、IPOの実態及び日本郵政上場の株価予想について述べられていました。
●全市場平均と各市場別の初値騰落率
2011年 マザーズ 70.04% JASDAQ -5.88% 東証1部2部 8.93% 全市場平均 22.24%
2012年 マザーズ 90.76% JASDAQ 14.62% 東証1部2部 -0.72% 全市場平均 49.44%
2013年 マザーズ 148.15% JASDAQ 162.86% 東証1部2部 24.30% 全市場平均 120.78%
2014年 マザーズ 141.74% JASDAQ 66.80% 東証1部2部 -1.57% 全市場平均 91.09%
2015年 マザーズ 83.48% JASDAQ 126.69% 東証1部2部 22.78% 全市場平均 84.66%
日本郵政関連3社の株価が初値で、80%上がる事は、100%ないと考えた方が良いそうです。たぶん、プラス1%から2%位だと思うと言われていました。
●3から4年位の間で上場した公開価格時価総額1000億円以上の企業の初値パフォーマンス
2014年3月19日 ジャパンディスプレイ 公開価格 900円 初値 767円 騰落率 -14.8%
2014年10月16日 リクルート 公開価格 3,100円 初値3,170円 騰落率 2.3%
2013年7月3日 サントリー食品 公開価格 3,100円 初値3,120円 騰落率 0.6%
2012年9月19日 日本航空 公開価格 3,790円 初値3,810円 騰落率 0.5%
つまり、1000億円以上の企業の初値は、それほど高くならない様です。初値では公募で買った人が売りにいくので、金額は抑えられるが、上場後は、機関投資家、インデックスの買い、投資信託の買いが出てくるので、時間をかけて株価は上げていく事が多いそうです。
IPO株を狙う方法は、下記の4つあるそうです。
通常、IPO株を購入する場合は、マザーズやジャスダックは発行株数が少ないので、新規公募株を手に入れるのは難しそうです。その為、初値が付いた後、セカンダリーマーケートを狙う方法もあるとの事です。
1.デイトレードで狙う方法
デイトレードで、昨年マザーズに上場した株の平均は、初値から高値まで1日で12%上がっている。ジャスダックは8.6%、東証1部2部でも4.9%上がっているので、初値で買っても十分利益がでる可能性がある。
2.初値を買って、数カ月持つ方法
2014年の市場別の初値騰落率、上場後高値騰落率、高値までの日数は下記の通りです。
東証1部2部 上場銘柄数 20、初値騰落率 -1.6%、上場後高値騰落率 18.2%、高値までの日数 72.4日
JASDAQ 上場銘柄数 11、初値騰落率 66.8%、上場後高値騰落率 180.8%、高値までの日数 92日
マザーズ 上場銘柄数 44、初値騰落率 141.7%、上場後高値騰落率 261.7%、高値までの日数 25.5日
一ヵ月以降に高値になる可能性もあるので、初値を買って、数カ月持つ方法も有効だそうです。尚、初値から日数が経つと 初値が高い銘柄ほど高くなる可能性があるとの事です。
3.決算発表で買う
予想より高い業績を出した株は、そこから買われていく傾向がある。つまり、決算が出た後のタイミングで買っても儲けられる可能性があるそうです。そして、決算後1カ月間位は上昇するとの事です。
4.市場変更で儲ける
新興市場に上昇した会社が、1年又は2年すると市場変更する事がある。マザーズやジャスダックだと小さすぎて機関投資家は買えない場合もあるので、東証一部になると年金などの大口投資家のお金が入ってくる銘柄もあるそうで、市場変更した銘柄は、3割から5割位、上がっている株がほとんどであるとの事です。
東証一部に上がる形式基準経常利益が過去2年間で、5億円(2年間の利益を足して5億円以上)になっているが、実績から見ると経常利益を10億円以上出している企業が東証一部に市場変更できている可能性が高いそうです。証券取引所のルールで、マザーズに上場した会社は、最低1年間はマザーズにいる必要があるので、1年後の決算をみて、10億円以上経常利益を出している会社を見つければ、それから1年または1年半後に市場変更が起こりやすいとの事。
日本郵政3社は、東証一部に上場するので、市場変更はありません。11月4日の上場のタイミングでは、個人投資家中心に株が販売されるので、年金や投資信託、外国人投資家は、買う事ができないので、11月4日以降半年ぐらいをかけて上昇していく可能性があるそうで、半年ぐらいの間に3割から5割上がる可能性もあるとの事でした。
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マネーの羅針盤:テレビ東京