2019年7月9日の日経モーニングプラスで、BSジャパン解説委員の豊嶋広さんが、下記の内容について話されていました。
国民の年金の余りのお金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、7月5日に決算を発表して、2018年度は、資産額159兆2,154億円で、資産全体の運用利回りは、1.52%でした。
その内訳は、国内株式が-5.09%、外国株式が+8.12%、国内債券が+1.43%、外国債券が+2.70%、短期資産が+0.02%です。
1年間で+8.12%となった外国株式の保有銘柄の時価総額の多い順番は、下記の通りです。
1.マイクロソフト:+40%
2.アップル:+13%
3.アマゾン:+28%
4.フェイスブック:+13%
5.アルファベット(クラスC:グーグルの親会社):+25%
6.ジョンソンアンドジョンソン:+20%
7.アルファベット(クラスA:グーグルの親会社):+28%
8.JPモルガン:-3%
9.ビザ(VISA):+35%
10.エクソンモービル:+17%
この内容を見ると、アメリカ市場の時価総額の上位10位の銘柄と同じだそうで、GIPFは、パッシブ運用(市場の平均と同じ様な運用)を行っていす。
そして、全体の159兆2,154億円の内訳は、下記の通りです。
外国株式:25.53%(41兆8,975億円):基本ポートフォリオの範囲25%±8%
外国債権:16.95%(27兆8,187億円):基本ポートフォリオの範囲15%±4%
国内株式:23.55%(38兆6,556億円):基本ポートフォリオの範囲25%±9%
国内債券:26.30%(43兆1,627億円):基本ポートフォリオの範囲35%±10%(短期資産を含む)
短期資産:7.67%(12兆5,871億円):基本ポートフォリオの範囲35%±10%(国内債を含む)
GPIFは、それぞれの投資先を一定の幅で乖離する基本ポートフォリオの範囲を、上記の様に決めていますが、外国債権の持ち高は、基本ポートフォリオの範囲の上限に近づいているので、上限の余地はあまりない様です。
この数字は3月末の数字なので、それ以降は、世界的な金利低下もあり、債権の価格が上がっています。
その為、外国債権の持ち高は増えていると考えられるので、これまで国内ではなかなか稼げない中、アメリカ株も史上最高値圏にあるので、今後も外国資産を増やしてポートフォリオを組むことは、難しくなると予想される様です。
GPIFは、株式配当や債権の利子などの現金収入が、2018年度で初めて3兆円を超えましたが、2018年10月から12月と時の様に、株安になってしまうと、国内・外国株の合計の運用成績が、-14兆5,000億円となってしまう事もあるので、この様な場合には利益を出す事ができないくなってしまう事もあるので、どの様に資産を増やしていくかが、課題となっているとの事です。