金融(銀行)株の業界ウオッチ 日経モーニングプラス

2016年11月1日の日経モーニングプラスで、QUICK企業研究所の柊 宏ニさんが「金融(銀行)株の業界ウオッチ」について話されていました。

日経平均株価が、17,000円を超えて推移するなど、相場全体が温まってきている様に感じるそうですが、金融株は、東証一部の時価総額の1割を占め、金融に含まれる銀行株は、全体の7%を占めています。

高い割合を占める、銀行株の苦境が続けば、日経平均株価全体の勢いを欠く事となります。その為、相場全体の先行きを占う上でも、銀行株の動向が重要になってきます。

■金融(銀行)株を見る上での注目ポイント

●始まる決算、株主還元に注目
11月7日の週から、各銀行の上期決算の発表が開始されますが、本業の収益は、マイナス金利政策の影響などで、厳しそうですが、
利益については、悪くないと見ているそうで、主要銀行で下方修正が相次ぐ様な状況ではないそうです。

一つの理由としては、与信費用(企業の倒産や、格付けが下がるときなどにかかるコスト)が、関係してくるそうで、原油価格が回復している事で、今期のはじめは、原油価格が大きく下落していた事で、石油ガス関連企業の与信費用を厳しい前提で見積もっていましたが、原油価格が回復してきた事で、与信費用が想定よりも発生せずに、これまで積んでいた、引当金の一部が戻ってくる可能性があるそうです。

その為、与信費用が少なくすんで、利益にプラスになりそうです。更に、株価が7月以降緩やかに回復した為、各銀行が高い削減計画を掲げている政策株式(銀行が主に営業上の関係を築くために取得した取引先企業の株式)も、売却が進んで、株式売却益が増えた可能性もあるそうです。

株主還元としては、銀行は配当利回りが高い銘柄が多いですが、利益が低くなり減配となる銀行はあまりないと考えているそうで、むしろ、自己株取得など、攻めの株主還元策を打ち出してくるところもあるそうで、その銀行は、三菱UFJと、三井住友FGで、三菱UFJは、前期は、本決算と、上期決算で、1,000億円ずつ自社株買いを行って、今期も、本決算で、1,000億円行っていているので、上期決算でも、1,000億円程度行ってくるか注目だそうです。

三井住友FGは、これまで規制動向などを睨みながら、自社株買いをやってこなかたが、今回は、機が熟して、踏み切る可能性があるのではないかと考えていて、自社株買いの発表が、株価プラス材料となる可能性もあり、この点が注目だそうです。

●日米金融政策は、ポジティブ
過去のアメリカの金利と、日本の銀行株の動向を見ると、米国の利上げ局面では、日本の銀行株の株価は、上昇しているので、米国の利上げにより、世界的に利ざや改善の期待が高まり、金融機関の業績が改善するということで、プラスに働いていると思うそうです。

米国では、年内12月の利上げの角度が高まっているので、順調に利上げが実現すれば、銀行株のパフォーマンスの改善してくるそうです。

但し、米国経済の成長率の低さから、利上げのペースは、かなり緩やかになる事も考えられるので、銀行株が2倍、3倍と力強く上昇することは、あまり考えられないそうです。

日本の金利は、マイナス金利政策が導入された今年の1月以降、金利は、大きく下がっているので、金融機関の収益をかなり圧迫していて、この点で、銀行株の上昇のネックになっていますが、今後よほどの円高が進むなどの、厳しき局面にならない限り、マイナス金利の深掘りは、行わないと考えていて、金融機関の収益への影響がかなり大きくなっているので、身構えている銀行が、貸出を抑えるなどの弊害も出てきているので、日本の金融政策も、銀行にとって悪い方向には、行かないと考えているそうです。

●欧州銀行不安の影響は限定的?
ドイツ銀行は、今年2回ほど銀行株を悪化させる要因となりましたが、アメリカのサブプライムローンの不正販売で、米国当局から制裁金を求められていますが、まだ解決したわけではないですが、収益も欧州は、マイナス金利政策を取っているので、厳しいままで、そして、相対的に自己資本も低いままの様です。

今後問題が蒸し返される可能性もありますが、但し、経営破綻して、リーマンショックの様になるというのは、行き過ぎだと考えていて、公的資金を使った、安易な救済が難しいと言われていますが、国のトップバンクが破綻すると、経済への影響が甚大になるので、最終的には、ドイツ政府が動いていくる可能性もあり、欧州中央銀行も資金供給を潤沢にやってくると思うので、冷静に見れば、破綻などの可能性は低く、悪い影響も限定的にとどまると考えているそうです。

日本の銀行に取って悪い面もありますが、日本の銀行は、海外事業を拡大しているので、欧米の金融機関が弱体すると、新たな貸出案件を獲得できたり、金融機関の買収ができたりとか、ビジネスチャンスが出てくる可能性もあるそうです。

相対的に見ると、メガバンクの中では、三菱UFJの優位性が出てくると思っていて、今は、外貨調達コストが上がっていて、銀行の収益には重しになっていますが、三菱UFJは、アメリカで、地銀のユニオン・バンクを持つなど、銀行業務を展開しているので、米国内で安定的な、粘着資金を豊富に集められる預金を持っているので、低コストの外貨獲得が容易になっており、更には、貸出事業規模も大きいので、金利が上がってくるとプラスに働いてくる事もあるそうです。

日経モーニングプラス|BSテレ東

    



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