2018年5月1日の日経モーニングプラスで、日本経済新聞編集委員の鈴木亮さんが、下記の内容について話されていました。
3月期企業の決算発表が、4月27日に前半戦のピークを迎えましたが、企業により明暗が、くっきり分かれたそうです。
■決算発表翌日の株価騰落率が上昇したのが、下記の企業です。
●東京エレクトロン 8.4%の上昇
●任天堂 1.6%の上昇
●京セラ 12.6%の上昇
●アドバンテスト 13.6%の上昇
■決算発表翌日の株価騰落率が下落したのが、下記の企業です。
●日本電産 1.8%の下落
●ファナック 9.3%の下落
●アルプス電気 7.9%の下落
●シャープ 3.7%の下落
ファナックは、今期の純利益が、24%減益と言う事で、終値は、9.3%の下落で留まりましたが、一時は、14%から15%下がって、ファナック1社だけで、日経平均株価を、100円位下げてしまったそうです。
逆に京セラは、今期の純利益が、64%増益と言う事で、京セラ1社だけで、日経平均株価を、50円位上げた様です。
その為、決算の良し悪しが、株価の動きに強く出はじめているとの事です。
5月9日にトヨタ自動車や、ソフトバンクの決算発表があり、5月10日には、パナソニックの決算発表があるので、これらの企業が、今期どの位の為替レートを前提に、どの位の業績予想を出してくるかについて、注目しているそうです。
■決算発表した主な輸出企業の2019年3月期見通し
●安川電機、対ドル想定レート105円、純利益増減率は、20%の増益
●日本電産、対ドル想定レート100円、純利益増減率は、10%の増益
●キャノン、対ドル想定レート107円、純利益増減率は、16%の増益
●コマツ、対ドル想定レート100円、純利益増減率15%の増益
●日立建機、対ドル想定レート100円、純利益増減率は、18%の減益
●ファナック、対ドル想定レート100円、純利益増減率は、24%の減益
●任天堂、対ドル想定レート105円、純利益増減率は、18%の増益
●シャープ、対ドル想定レート102円、純利益増減率14%の増益
ファナックは、対ドル想定レートを100円に設定しているので、純利益増減率は、24%の減益予想ですが、足元の為替レートは、110円に近い109円位なので、今後は、対ドル想定レートを、100円位に設定している企業は、3ヶ月毎の決算発表の度に、上方修正する可能性があるので、最終的には、企業全体の増益率は、前期と同じ様に、二桁の増益にのってくるのではないかと、考えているそうです。
企業の経営者は、対ドル想定レートを100円と、保守的に見ている理由は、アベノミクスが始まる前に、決算予想を固めに出さずに、普通に出して、下方修正を繰り返してしまった時期があったそうで、下方修正を出すと、相当叩かれるので、これがトラウマになっているとの事です。