2019年3月1日の「日経プラス10」で、楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジストの窪田 真之さんが、下記の内容について話されていました。
窪田 真之さんが考える3大割安株は、金融株、自動車株、資源関連株だそうで、これらの株は、利益水準も高く、財務内容も良いそうですが、株価が上がらないので、配当利回りが高く、PER(株価収益率)や、PBR(株価純資産倍率)が低いのが現状です。
尚、東証一部平均は、配当利回り2.4%、PER14倍、PBR1.23倍との事です。
■金融株
●三菱UFJ FG :配当利回り3.8%、PER8倍、PBR0.47倍
●三井住友 FG :配当利回り4.3%、PER8倍、PBR0.52倍
金融株の目先の不安要因は、低金利が長期化していて、銀行の利ざやが無くなってしまうと、思われている様で、実際に、地方銀行は厳しい様ですが、三菱UFJ FGは、過去5年連続で、8,000億円から1兆円近くの純利益を上げていて、業務の多角化もできていて、更には、海外でも利益を上げています。
そして、将来の不安要因としては、仮想通貨、キャッシュレス決済、ネットバンキングなどにより、フィンテック(金融新技術)が進化すると、旧来型の銀行は不要になると言う不安です。
しかし、この不安も少し先走り過ぎているそうで、仮想通貨は、値段が安くなってからは、取引額が少なくなってしまった様ですし、安全面でも不安もあります。
逆に、旧来型の銀行のシステムは、閉じられたシステムなので、不便な部分もありますが、安全性が非常に高いシステムで、今後は、三菱UFJ FGや、三井住友 FGも、フィンテックを開発する事を考えると、PBRは、1990年代の金融危機位の低さになっているので、不安が先走り過ぎているそうです。
■自動車株
●トヨタ自動車 :配当利回り3.3%、PER10倍、PBR1.01倍
●ホンダ :配当利回り3.5%、PER8倍、PBR0.66倍
自動車株の目先の不安は、貿易戦争でターゲットになると言う不安があります。
そして、将来の不安としては、EV(電気自動車)が普及すると、ガソリン車がいらなくなるのではないかと言う不安がありますが、こちらも、不安の先走りと考えられるそうで、現在、世界を走っている大部分は、ガソリン車で、ガソリン車の販売は伸びていて、日本企業は、非常に競争力があります。
■資源関連株
●三菱商事 :配当利回り4.0%、PER8倍、PBR0.89倍
●三井物産 :配当利回り3.3%、PER7倍、PBR0.72倍
資源関連株の目先の不安は、供給過剰になり、資源価格が下がると言う事です。
そして、将来の不安は、化石燃料(石油等)離れが進むと言う不安がありますが、こちらも先走っている様で、三菱商事や、三井物産は、資源関連ビジネスは大きいですが、資源以外のビジネスを伸ばして、最高益を更新してきているので、このバリエーションに据え置かれるのは、非常に割安の様です。
その為、これら、金融株、自動車株、資源関連株に投資冥利(みょうり)があるとの事でした。