2019年8月28日の「日経プラス10」で、大和証券チーフ・グローバル・ストラテジストの壁谷 洋和さんが、下記の内容について話されていました。
足元の相場は、米中貿易摩擦の影響で、不安定な展開を強いられている状況ですが、そうでなくても、日本株は出遅れが指摘されていて、その背景にあるのは、海外投資家が日本株への積極的な買いを手控えている事が原因の様です。
海外投資家は、8月12日の週までは、3週連続で、日本株を売り越していると言う事で、投資家はいつになったら、日本株への買いが入るかヤキモキしている状況との事です。
海外投資家の日本株への売買動向を、過去15年間の週別の平均で見ると、一番売り越しが大きい週は、年初から第10週目の3月の2週目で、2番目に大きいのが、年初から36週目に当たる9月2週目位で、売りが集中している時期は、8月から9月にかけての様です。
1番売り越しが大きい週と、2番に売り越しが大きい週は、SQが含まれる週で、このSQを超えてくると、海外投資家の売りは一服してくる様です。
特別清算指数:SQ値(Special Quotation) – Wikipedia
今年は、曜日の並びの関係で、SQ週がずれているので、9月9日の週までは、海外投資家の売りが続く可能性もあるそうです。
今年は、米中貿易摩擦があるので、例年通りの経験則が当てはまるかどうかはわかりませんが、海外投資家の日本株の持ち高を見ると、海外投資家は、アベノミクスが始まった2012年12月の半ば以降、日本株の買いを積み上げていましたが、2015年位からは、買いのポジションを減らして、売りを膨らませて行った結果として、2019年8月には、買いのポジションをすべて吐き出して、売り越し(-0.5兆円)に転じてしまった様です。
海外投資家は、今後も売る事はいくらでもできますが、ただこれにより、日本株の売りのポジションが一巡した事で、ここから先は、コアな部分に手を付ける事にもなるので、売りは徐々に収まっていくと、考えられるとの事です。
その為、米中貿易摩擦の進展次第とはなりますが、現状のPBR1倍位は、かなり強力な下値のサポートとなっているので、今後大きく日経平均株価が下がる事は無いと考えられる様で、今まさにその水準で、相場が切り替えそうとしていると考えると、9月2週以降の展開としては、比較的明るい未来が待ち受けているとも考えられるそうです。