2016年6月10日の東京マーケットワイドで、マーケットアナリストの中嶋健吉さんが、主体別投資家動向について話されてました。
先週は、外国人投資家は、1,450億の現物の売り越し、560億の先物売り越しを行っていて、合計すると2,000億円以上の週間ベースでの売り越し、ただ、先物については、2週連続で買い越していた。
今年の年初から、4月の第一週まで、外国人投資家は、13週間連続の売り越し、その間の現物の売り越し額は、5.1兆円位で、ところが、直近の6月3日までの週までだと、4.6兆円位になったので、4,000億円位の買い越しになっている。
先物は、今年の年初から、直近の6月3日までの週まで、外国人投資家の売り越し額は、2,400億円位だった。その為、外国人投資家は、先物を使ってマーケットを売り崩してはいなかったので、4月の第一週までの売りは、ソブリンファンド系の売りで、石油産油国が売っていた様である。
外国人投資家が、先物を使ってマーケットを売り崩していたのは、2015年の8月第二週から10月20日位までで、現物で4兆円、先物では、3兆円で合計7兆円売り越していた。これが、本当の意味での外国人による売り崩しで、先物の売りで、マーケットを下げさせて、裁定買い残の解消を生んで、この解消売りがまた値段を下げる事を繰り返していた。しかし、12月には再度株価は戻したが、2016年1月からは、現物が売られてしまった。
外国人の売りと1事で言っても、昨年の売りと、今年の仕手は違って、ヘッジ系ファンドは3年連続のマイナスとなっており、今年に入ってからもヘッジファンドは、マイナス3%位になっている。昨年は、900のヘッジファンドが店を閉めた様である。
そして、3兆ドルと言われた、ヘッジファンドの運用資産が、今は、減り始めてきている。カリフォルニア州立年金などは、ヘッジファンドから完全にお金を引き上げた。そういった、ヘッジファンドが鳴りを潜めた事が、今の日本株のこう着状態の原因ではないかと考えられる。
信託銀行は、年初から2.4兆買い越している。投信は、4,500億円買い越し、事業法人8,900億円買い越し、その他金融機関1,600億円買い越し、個人は、現物で800億円の買い越しで、信用取引を入れると7,700億円の買い越し、国内で売り越しているのは、銀行で、1,300億円で、生損保も、1,500億円売り越している。しかし、銀行も生損保もほとんど売り尽くした感じとなっている。外国人の売りに対して、ほとんどの日本の投資家は買いに行っている。
最近、ゴールドマンサックが出したレポートでは、今年に入って日本の投資家から23兆円位の買が出るだろうと予想している。自社株買いは、昨年前期5.5兆円、前々期は、3.5兆円、今期は、7兆円から7兆数千億円行くと、考えられるので、毎年2兆円ずつ増えてきている。信託銀行(GPIFを含めた)買いがが、9兆円、日銀のETFから、7兆円の買いが入る。
外国人の売りも一巡したので、今後売りに行く事はあまりないと考えられる。
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