2018年11月29日の日経モーニングプラスで、BSジャパン解説委員の豊嶋広さんが、下記の内容について話されていました。
昨日のアメリカ株は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言により、大きく反応したそうで、これまでのパウエル議長の発言の変化を見てみると、発言の中で”中立金利”がキーワードになるそうです。
この中立金利とは、経済にとって、程よい湯加減の金利水準と言う事だそうで、政策金利にとっては、中立金利が、ゴール(終着点)になるそうです。
2018年10月2日の時点では、「現時点で、中立金利からほど遠い」と話していて、まだまだ利上げ余地があるとの事だった為、その後の10月の株安の一因となった様です。
そして、通常は、FRB議長は、アメリカの経済の事しか言わないそうですが、2018年11月14日には、「世界経済は、やや減速」と発言して、2018年11月28日の講演では、”政策金利は、中立水準を「わずかに下回る」”と発言されました。
中立金利の水準は、約3%と言われている様で、今の上限は、2.5なので、「3%の中立金利の目安を下げてくるのではないか」と言う思惑も生じているとの事です。
10月から11月末までの2ヶ月間で、何が変わったかを考えると、利上げの一つ目の目的でには、バブルの予防と言う考えがあるので、10月の株価の急落で、バブルの心配がなくなった様です。
2つ目が、原油価格の急落で、これにより、インフレ懸念がなくなった様で、3つ目が、トランプ大統領のFRBの政策に対する批判(口撃)で、トランプ大統領のやり方には、問題があるとの批判もある様ですが、一方で、パウエル議長にとっては、金融政策は、政治から中立だとは言っていますが、政治との間合いも重要だそうです。
アメリカの株価は、プラスでは反応しましたが、株価が上昇したのは、ボーイング社、キャタピラー、アップルなどで、米中貿易摩擦で売られていた株が買い戻された様です。
この様な場合は、長期金利は、通常は下がるのですが、ほとんど動いていないそうで、原油相場は、上昇しても良いそうですが、在庫が増えている様で、大きく下がっていて、この様な状況から考えると、グローバルマーケットについては、まだ不安感があると言う事を、示している様です。
利上げが打ち止めとなると、株高の傾向がありますが、株高が長く続くのか、短い期間で終わってしまうかは、不透明の様です。
●2018年10月2日
現時点で、中立金利からほど遠い
●2018年11月14日
世界経済は、やや減速
●2018年11月28日
政策金利は、中立水準を「わずかに下回る」