2018年10月11日の「日経プラス10」で、りそな銀行チーフマーケットストラテジストの黒瀬浩一さんが、下記の内容について話されていました。
アメリカの10年国債の金利が、直近3.2%を超えましたが、10月10日の株価急落の原因を、アメリカの10年国債の金利上昇に結びつけるには、無理があるそうで、金利が上がり出したのは、9月の下旬だったので、タイミングにずれがあったとの事です。
注意しなければいけないのは、金利の上昇には、2つの側面があり、1つ目が、金利上昇により景気を冷ます事で、金利上昇が、景気を冷ます場合には注意が必要ですが、3.2%程度であれば、景気を冷やすまでの心配な無い様です。
しかし、心配しなければいけない事は、金利の上昇イコール債券価格の下落で、日本でも金融庁は、日本の金融機関が、アメリカの10年国債に投資をして、損を出す地域金融機関の経営を心配しているそうで、そして、ここで損が出ている為に、利益が出ている株を売って、穴埋めしていると言う行動を、多くの投資家が行っているそうで、それが、需給的に株価の下落に繋がった様です。
この様な投資家の中で、特に状況が深刻なのが、ヘッジファンドで、ヘッジファンドは、少し前までは、儲かっている投資家の代名詞でしたが、このヘッジファンドが、ここ数年は、非常にパフォーマンスが悪く、ファンドの閉鎖や、投資家の解約が相次いでいる様です。
そして、特にヘッジファンドは、11月決算が多く、解約する場合には、45日ルールと言うものがあり、11月末に解約しようと思ったら、10月17日までに通告する必要があります。
その為、毎年10月は、この要因で、相場が荒れやすいそうで、今年もある程度、この要因で下落したとも考えられるそうです。
つまり、今回の株価下落の要因は、債権の穴埋めをする為に、株を売った投資家がいた事と、ヘッジファンドは、大きなポジションを持っているので、季節要因として、大きな売りが出たとの事です。
しかし、この程度の金利上昇であれば、短期的な下げ要因と考えられ、株式の需給の問題だと考えられるそうです。