2018年3月19日の「日経プラス10」で、野村證券チーフエコノミストの美和 卓さんが、下記の内容について話されていました。
安倍内閣の支持率急落により、外国人投資家の日本株の売りが、株の大きな下げにつながっていますが、これが同時に円高も加速させている様で、株安と円高が連鎖をしている状況の様です。
一般的には、円高になると景気が悪くなるので、株価が下落しますが、今の局面は違うと考えているそうで、海外の投資家が日本株を売り越した場合に、為替が円高に振れる傾向がありそうです。
株と同額の反対売買で、為替変動リスクを回避する為替ヘッジと言う取引が、この因果関係を生み出しているとの事で、簡単な例としては、下記の通りです。
海外の投資家が、100万円分の日本株を買う(100万円分の円を買うのと同じ)場合は、ドルで持っている海外の投資家は、円のリスクは負いたくはないので、為替ヘッジの為に、100万円分の日本株を買うと同時に、100万円分の円の空売りを行います。
そして、今起きているのは、上記の内容とは逆の事が起きていて、政局不安なので、100万円分の日本株を売る事で、株安になるのですが、それと同時に、日本株に絡む円のリスクを回避する為に、持っていた空売りを解消して、100万円分の円の買い戻しを行う事で、円高になってしまうそうです。
しかし、100円以上の円高になる可能性は低いそうで、トランプ政権の保護主義が、円高要因と言われていますが、トランプ政権の保護主義により、世界の貿易量が大きく縮小して、金融市場のリスク回避が加速して、円高につながる可能性は低いと考えているそうで、もう一つが、国内の政局不安で、これも円高を加速させるリスクと考えられていますが、仮に、この問題が大きくなった場合には、日本国内からの政策対応が打ち出されて、円高を回避する動きが出てきて、安倍政権が、支持率のテコ入れを行うと考えている事が理由だそうです。