株主配当や株主優待が過去最高の理由 日経プラス10

2017年3月9日の「日経プラス10」で、日本経済新聞編集委員の鈴木亮さんが、下記の内容について話されてました。

株式市場では、年度末となる3月末に向けて、株主還元の一環である株主配当や株主優待への関心が高まっていて、2016年の配当総額は、11兆8,000億円と、7年連続で増加し、過去最高となり、リーマンショック時の2009年度の2倍になる予定です。更に、株主優待を実施する企業も、1,307社を超え、実施率は35.5%と、こちらも過去最高となりました。

企業が株主への還元を積極的に増やす理由は、ここ数年は、金融庁が主導する形で、コーポレート・ガバナンス・コード(企業統治指針)と、スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)が導入され、2015年導入のコーポレート・ガバナンス・コード(企業統治指針)は、企業価値を維持、向上される為に、経営陣を監視する仕組みで、2014年導入のスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)は、機関投資家に、企業との対話を促し、企業価値の向上を目指す仕組みです。

その結果として出てきたのが、配当を増やすと言う事で、配当を増やすには、企業業績が良くなる必要がありますが、アベノミクス以降、企業業績は高水準に推移していて、今期も過去最高益を更新して、5社に1社が最高益となっているので、配当を増やすには、良い環境になっているとの事です。

3月決算企業は、増配(配当を前期よりも増やす)、復配(前期に配当していなかった企業が、再び配当を復活させる)を予定する企業は、600社強で、上場企業全体の約3割となっていて、最近増えているのが、増配を継続する動きで、毎年増配する事で、外国人投資家に、長期の株主になってもらおうと思っているそうで、今までは長期投資家に、だいたい2年位保有してもらえれば良いと思っていたそうですが、5年、10年と長く株主でいてもらうために、増配を継続しているそうです。

海外ですと、プロクター・アンド・ギャンブルや、ジョンソン・エンド・ジョンソングループは、50年以上続けて増配しているそうで、日本企業も長く増配するので、安心して、株主になって下さいと、IR(投資家向け広報)で、海外投資家向けに呼びかけている場合もあるそうです。

今、銀行預金の金利もゼロに違い状況で、下記の様に良い銘柄の配当利回りが4%を超えている場合もあるので、これらの株を安定的に持つと言うことは、投資をする上で、重要な指針になるとの事です。

●予想配当利回りが高い銘柄
1位 あおぞら銀行 4.39%
2位 キャノン 4.37%
3位 日産自動車 4.20%
4位 中国電力 4.06%
5位 東海東京FH  3.95%

配当を受け取るには、権利確定日に株主であることが必要で、3月31日の時点で、株主になっている必要があるので、3月31日に株を買っても、株主にはなれません。その3日前の3月28日(権利付き最終売買日)までに買う必要があります。

そうなると、3月28日までに株主になれば良いと考える人が多いですが、権利付き最終売買日に権利が確定したら、株を売ってしまおうと言う動きがあるので、直前に株主になると、3月29日以降いきなり含み損が出てしまう可能性もあるので、早めに購入する必要があるとの事です。

株主優待は、長期に保有してもらう個人投資家を増やすためにやっているそうで、3社に1社、株主優待を行っていて、典型的なのが、日本マクドナルドで、ここの株主優待は、ハンバーガーのセットのチケットが、6枚付いて、シニアの方は、これを持って孫と一緒にマクドナルドに行くのが楽しみと言われる人も多いそうで、この様な方は、株主優待が目当で株主になっているので、ちょっとやそっとでは株を手放さないので、日本マクドナルドは、2014年、2015年は赤字だったので、株価は下がるはずですが、全然下がることがなかったそうで、アメリカの本社が持っている部分を除くと、流通している部分の8割は個人株主が持っていいるので、あまり売られる事が無いそうです。

同様に、カゴメは、6割が個人株主で、株主は、カゴメの株主優待で、商品の詰め合わせが欲しいので、2008年のリーマンショックの時の株価は、日経平均株価は、約4割減少したのにもかかわらず、カゴメは、約1割の減少に留まったそうで、更には、その後直ぐにリカバリーしたそうです。

個人向けのビジネスをしていない企業は、個人投資家向けの知名度があまり上がらないので、お米券や、クオカードなどを発行しているそうです。
尚、株を購入する場合には、業績をご確認の上、取引することが重要となります。

日経プラス10 | BSテレ東

    



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