2016年11月11日のGO!GO!ジャングル・マーケットラジオで、マーケットアナリストの荒野 浩さんが、下記の内容について話されてました。
11月9日に日経平均株価は、急落しましたが、この動きは、6月24日のBrexit(ブレクジット:イギリスのEU離脱)と全く一緒で、
日本の株は、主要国の中で、一番海外ショックに弱く、脆弱で、東京の株式市場は、アメリカのトランプ大統領を評価できなかったのと、為替の円高の影響で、日経平均株価は急落したそうです。
ニューヨーク市場も、先物市場では、700ドル位下がっていたが、ニューヨーク市場が開くと、300ドル高となっていた。その為、日本株も翌日は、追随して上昇した。
今回の株価の上昇は、アメリカのトランプ大統領よりも、円安が全てで、11月9日の東京時間で、ドル円は101.20円まで下げたが、11月11日には、107.95円まで円安になっていた。結局わずか2日で、5.75円円安が進んだので、その分で、日経平均株価は、その後1,000円高した。その為、トランプ大統領の政策よりも、全てが為替で説明ができる。
2日で、5.75円円安になったのも、そして、日経平均株価が900円以上下げたのも、その後の1,000円高も異常値だそうで、東京市場は正しく機能していないと考えた方が良いかもしれないそうです。
11月14日以降も株価の上昇が続くかどうかは、円安次第で、今年になって、円安で株価を上げた局面は5回あり、それぞれの期間を見ると、一番長くて、1ヶ月なので、今回は、11月初めが円の高値だとすれば、11月中は、円安が持つ可能性があるそうで、但し、今年になって円安になった幅は、6月24日にドル円が99円まで行って、その後7月21日に107.49円を付けたのが、一番大きかったそうで、その時、8.49円円安になり、株価も7月21日に高値を付けた。
今回の場合を考えると、円高基調が完全に終わったとは思えないので、円安の戻りの条件について考えると、8.49円の円安が限界だと考えられるとの事で、既に、5円以上戻っているので、あと1円又は2円の円安で終わると思うそうです。
今は1円の円安で、日経平均株価は、230円位上がっているので、その為、1円又は2円の円安と考えれば、230円から500円位の日経平均株価の上昇と考えられ、18,000円位が、11月末までの限界と考えているそうです。
但し、これは、円安になった場合で、去年の円安の106.95円を上回って、107円又は108円の方向に行くのであれば、この株価の勢いは、継続すると考えているそうです。もし、円高になったら、日経平均株価は、調整局面に入る可能性があります。
この円安の背景にはるのは、アメリカの金利が上がったのが理由で、アメリカの金利が上がって、日本の金利は、ほとんど動いていない事により、日米の金利差が開いたそうです。
ただ、今後アメリカの金利がどんどん上がっていくかを考えると、以前は、1.7%だった金利が、トランプ大統領発表前に、2.1%まできているので、その持続性は怪しいと思っているとの事です。
過去30年位のデータを取ると、アメリカと日本の消費者物価の差は、約2.0%なので、アメリカと日本の金利差は、2.0%あってもいいのですが、今、どんどんドルを買って、円を売る様な金利差にはなっていないので、アメリカの金利が、2.0%で、日本の金利は、-0.03%位なので、今が金利差が2.0%になっている。
そして、消費者物価が、アメリカが1.7%で、日本は、-0.5で、2.2%の差がある事となり、アメリカの国債が売られて、金利差が拡大しているが、景気の経済指標に良い数字が出ていて、金利が上がっていくのであれば、ドル買い円安でも良いと思うが、今回は、アメリカの財政赤字が膨らむという理由で、アメリカの国債が売られているので、決して良い金利上昇ではない。