2019年1月10日の「日経プラス10」で、大和総研経済調査部エコノミストの小林俊介さんが、下記の内容について話されていました。
2018年は、株価にとっては厳しい1年でしたが、大きく分けると、悪材料は3つあったそうです。
しかし、下記の悪材料は、悪化するよりは、底入れに向かい好転してくると考えられるそうで、行き過ぎた懸念が揺り戻されて、株価の上昇につながるとの事です。
1.世界経済の減速
日米欧の出荷在庫バランス(出荷の伸び率から、在庫の伸び率を引いた物)を見ると、2017年は、景気が良かったので、在庫が積み上がり、2018年は、逆に景気が悪かったので、在庫の数が下落していた様ですが、在庫がゼロになる事は無いそうで、特に日本は底打ち感が出始めている様です。
その為、2019年は、底入れして、反転すると考えられるそうです。
2.米欧の金融引き締め
昨年は、アメリカのFRBは、4回の利上げに加えて、FRBの資産圧縮も毎月の様にやっていて、資産圧縮額もどんどん加速していたので、悪い金利の上昇が、株価を圧迫していた様ですが、この方針を少し柔軟化して行こうと言う話が、先週FRBのスタッフや、パウエル議長から出てきたので、相場の好材料となる様です。
■FRB(アメリカ)の月額の資産圧縮ペース
●2017年10月から12月は、総額100億ドルで、米国債60億ドル、ECB(欧州)の資産買い入れは、600億ユーロ
●2018年1月から3月は、総額200億ドルで、米国債120億ドル、ECB(欧州)の資産買い入れは、300億ユーロ
●2018年4月から6月は、総額300億ドルで、米国債180億ドル、、ECB(欧州)の資産買い入れは、300億ユーロ
●2018年7月から9月は、総額400億ドルで、米国債240億ドル、、ECB(欧州)の資産買い入れは、300億ユーロ
●2018年10月から12月は、総額500億ドルで、米国債300億ドル、ECB(欧州)の資産買い入れは、150億ユーロ
●2019年1月からは、総額500億ドルで、米国債300億ドル、ECB(欧州)の資産買い入れは、0ユーロ
3.米中冷戦の激化
米中貿易戦争は、2019年3月1日までの交渉がポイントとなりますが、残り2ヶ月は、流動的な状況ではある様ですが、少しずつ妥結に向けた情報が出てきているので、3月1日に米中停戦と言う状況となり、アメリカが、中国への25%の関税引き上げを一旦止めれば、春先にかけては、株価の上昇もあり得る様です。
ただもし、株価が上昇して、景気も底入れしてくると、アメリカのFRBから、6月や12月に利上げの話が出てくる可能性もあり、それに加えて、日本は、10月以降に消費増税の可能性が高いので、年末にかけては、日経平均株価は、少しダレて来る可能性があるとの事です。