2018年8月16日の日経モーニングプラスで、BSジャパン解説委員の豊嶋広さんが、下記の内容について話されていました。
アメリカの大手証券会社のリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界的な金融危機及び経済危機が起きましたが、リーマン・ブラザーズが、アメリカの破産法11条を申請して、経営破綻したのが、2008年9月15日なので、後1ヶ月位で、10年となります。
負債総額は、アメリカ市場最大の6,130億ドルの倒産となり、当時の日本円に換算すると、64兆円近くだそうで、この金額は、日本の国家予算の6割にもなるそうです。
倒産の背景は、2000年代の半ばのアメリカの住宅バブルの時に、貸し倒れリスクの高い住宅ローンをまとめた投資商品に、かなりのお金を投じた為、焦げ付いてしまった様です。
2008年9月の初旬に、アメリカの住宅金融公社2社が、政府の管理下に置かれたのですが、これにより、一気に市場の信用不安が高まったそうで、政府も身売りの仲介等を行ったそうですが、上手く行かずに、法的整理となったとの事です。
住宅バブルに踊ったのは、リーマン・ブラザーズだけではなかった様で、リーマン・ブラザーズが、破産を申請した同じ日に、バンク・オブ・アメリカが、大手証券会社のメリルリンチの買収を発表していて、その直後には、最大の保険会社のAIGが、政府の管理下に置かれました。
そして、翌年には、クライスラーや、GMなども経営破綻して、その飛び火がヨーロッパまで行ったので、歴史に残る金融危機だったそうです。
リーマン・ブラザーズが破綻した、2008年9月15日のニューヨーク・ダウ平均の下落は500ドルで、下落率は4%でしたが、1987年10月のブラックマンデーの時には、23%下げていたので、リーマン・ショックの当日は、それほど下落率は大きくなかったのですが、翌年2009年3月にかけて、約4割位株価が下落したそうです。
そして、特にクライマックスになったのが、2008年9月23日で、この日に、金融機関に、公的資金を注入する法案が、下院で否決された事により、マーケットがびっくりして、ニューヨーク・ダウ平均は、777ドル下げて、下落率は7%で、当時の最大の下げ幅を記録したとの事です。
これで、政治家は反省して、それ以降は、スムーズに公的資金を入れて、様々な政策を打ったそうですが、この時の不信感が尾を引いている様です。
日本では、このアメリカの住宅バブルに踊った金融機関は少なかったそうですが、強烈な円高になり、日本株安にも繋がったそうで、日本もアメリカの住宅バブルの影響を免れる事はできなかった様です。
■金融機関・企業の経営破綻
2008年3月16日 JPモルガンが、ベアー・スターンズを買収
2008年9月7日 住宅金融公社2社が、政府の管理下に置かれた
2008年9月15日 リーマン・ブラザーズの破綻
2008年9月15日 バンク・オブ・アメリカが、大手証券会社のメリルリンチの買収
2008年9月16日 AIGが、政府の管理下に置かれた
2009年4月30日 クライスラー連邦破産法申請
2009年6月1日 GM連邦破産法申請