急拡大するAI(人工知能)投資の実力 日経プラス10

2017年6月30日の「日経プラス10」で、長年金融に関する技術を研究してきたRPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)取締役の櫻井豊さんが、下記の内容について話されてました。

近年、AI(人工知能)を活用して運用するAI投資が広がっていますが、膨大なデータを瞬時に処理するなど、高い能力で、一部のファンドでは、人間より優れた成績を収めているそうです。

資産運用のサービスを提供しているウェルスナビは、コンピューターが個人の資産運用を指南する「ロボットアドバイザー」サービスを、2016年7月から提供しているそうです。

ウェルスナビの柴山和久社長の話では、ウェルスナビは、無料診断のボタンを押すと、年代、年収、金融資産、毎月の積立額、資産運用の目的、株価が下落した場合の対応の6つの簡単な質問に答えると、ロボットアドバイザーが、自動で最適な運用方法を提案して、将来の資産を予測するそうです。

ウェルスナビは、誰でも使える様に、海外の金融機関や、富裕層が使っているアルゴリズムを、そのまま使うところが大きな特徴で、一人一人の利用者のスマホやPCから、ニューヨーク証券取引所まで、システムを連結していて、そこにアルゴリズムを搭載する事で、人の手を介さずに、資産運用を行う事が可能となっているそうです。

世界中の投資家や、富裕層が、競って、AI(人工知能)を使って、パフォーマンスを上げようとしているそうですが、一部のAI(人工知能)を使ったファンドが、ものすごく良い業績を出しはじめているので、それに追いつく為に、沢山の人達がAIの研究をしはじめていますが、そのアプローチは、秘密裏にやっているので、実力及び実際のAIの性能も千差万別だそうで、その実力を見極める必要があるそうです。

コメンテーターの日本経済新聞編集委員の鈴木亮さんの話では、相場の予測をAIに行わせると、あまり当たらないそうで、それは、昔と今を比較しても、プレーヤーも違うし、マーケットのスピードも違うし、投資対象も格段に広がったので、ビックデータは、過去のデータの蓄積だけで判断するので、上手くいかない事も多いそうです。

一方で、リスク回避や、資産の再配分などをAIにやらせると、すごく上手くいくそうです。その為、何でもかんでも、AIにやらせれば、良いわけではないそうです。

現在、日本でAI投資と呼ばれる物には、AI投資信託とロボットアドバイザーの2つがあるそうです。

■AI投資信託
AIがマーケットの動き、企業の決算データを分析して、投資対象を選択してくれます。
AI投資信託は、投資家や、富裕層が、AIを様々な方法で分析して、パフォーマンスを上げるのが目的だそうです。

●AI日本株オープン
運用会社:三菱UFJ国際投信
運用の特徴:日本の個別株と、株価指数先物を組み合わせて収益を獲得する。
購入時手数料(上限):3.24%
運用管理費(年率):1.296%
”AI日本株オープン”の実績は、2017年2月から、基準価格を1万円でスタートした場合に、2017年5月末には、10,036円
AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい)) | 投資信託なら三菱UFJ国際投信

●GSグローバル・ビックデータ投資戦略
運用会社:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント
運用の特徴:ビックデータを分析し、国内外の銘柄から、投資対象を選出する。
購入時手数料(上限):3.24%
運用管理費(年率):1.323%
”GSグローバル・ビックデータ投資戦略”の実績は、2017年2月から、基準価格を1万円でスタートした場合に、2017年5月末には、10,250円
GS グローバル・ビッグデータ投資戦略 | ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社

上記の3つの投資信託とも、期間が短いですが、3%台後半から、低い物だと、1%以下となっています。実際に投資した場合は、販売手数料が、3.24%で、更に、運用管理費(年率)が1%位かかるので、実質全てのAI投資はマイナスとなってしまうそうで、その為、AI投資は、必ずしも全て上手くいく物ではないとの事です。

今後長くAIを活用した投資を行うと、実績が出てくるかどうかは、ここのAI投資が、どの様なアプローチを取っているかわからないので、なんとも言えないそうです。

■ロボットアドバイザー
AIが、年収や年齢など、顧客毎のリスク許容度を計算して、最適な投資先や、資産配分などを提供してくれるものです。

こちらは、どちらかと言うと、庶民の資産配分を、できるだけ安くすると言う仕組みで、これまでアメリカでは、人間のアドバイザーがいて、その人にお金を払いながら、運用を行っていましたが、それを、人間に支払うコストより安く行うのが、ロボットアドバイザーです。

もう一つロボットアドバイザーのメリットは、人間と違って、自分(投資会社側)の手数料などを考慮した投資方法を選択しないので、客観的なアドバイスができるそうです。

人間のライフサイクル上の投資パターンは、大体は決まっているので、その決まったパターンを、学習するのは、今のAIでは、比較的簡単にできるので、パフォーマンスが得られるそうです。

下記の投資コストは、別途、ETFの信託報酬などが必要な場合もあるそうです。

●ウェルスナビ
提供会社:ウェルスナビ
投資対象:海外ETF
投資コスト(年率・税別):手数料1.0%(3千万円まで)、3千万円超部分は、0.5%。
最低投資金額:30万円
WealthNavi(ウェルスナビ) – ロボアドバイザー×国際分散投資で世界水準の資産運用

●THEO(テオ)
提供会社:お金のデザイン
投資対象:海外ETF
投資コスト(年率・税別):手数料1.0%(3千万円まで)、3千万円超部分は、0.5%。
最低投資金額:10万円
THEO[テオ] by お金のデザイン | ロボアドバイザーで、おまかせ資産運用

●MSV LIFE
提供会社:マネックスセゾンバンガード投資顧問
投資対象:国内外ETF
投資コスト(年率):0.648%(税込み)
最低投資金額:1万円
MSV LIFE : 一人ひとりに寄り添う資産運用サービス

●クロエ
提供会社:エイト証券
投資対象:国内ETF
投資コスト(年率・税別):投資顧問料 0.88%
最低投資金額:1万円
ロボ・アドバイザー | エイト証券

AIと言う言葉自体に過大な評価や、幻想を抱かない様にした方が良いそうで、AIを使っているからと言っても、本当に良いものから、悪いものもあるので、必ず良いパフォーマンスになるとは限らないそうです。

そして、残念ながら日本のAI投資は、すごく良いものに当たるケースは、まだ低いそうです。時間が経つと、優れたAI投資の提供会社や商品名などが明らかになってくると思われるので、それを待って投資しても遅くないかもしれないとの事でした。

日経プラス10 | BSテレ東

    



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