年末に向け、ドル円相場は円安方向へ 日経モーニングプラス

2016年9月16日の日経モーニングプラスで、みずほ証券の鈴木健吾さんが「年末に向け、ドル円相場は円安方向へ」について話されていました。

1ドル105円を超えて、110円を目指すような展開を想定していて、年末にかけて円安が進む理由は、下記の通りです。

1,リスクの後退
世界中でリスクがくすぶっている物があるが、昨年の半ば位から、今年前半にかけて、非常に強まった緊張感は、後退すると考えており、既に、顕在化したリスクとしては、原油は、一時26ドル台まで下落しましたが、増産に一定の歯止めがかかってきたと言うことで、反発してきていますし、中国経済に関しては、政策総動員で、悪化に対して歯止めをかけつつある状況で、米国経済は、昨年末には、年4回予想されていた利上げは、年内1回程度だというところで、落ち着いてきてます。そして、ブレグジットは、一時の様な警戒感は、後退している状況です。

今後要注意のリスクは、米大統領選挙には、不透明感があるし、特に、トランプ氏が大統領になった場合には、その手腕が不透明ということもあり、リスクが高まる可能性があります。欧州政治・金融は、特に、イタリアで大きな銀行が不良債権問題に苦しんでいる事もありますので、イタリアの政治、金融動向に特に注目したいと考えているそうです。

2.テクニカルな過熱感
今年は、一方的にドル安円高が進んできているので、トレンドが明確ということも言えますが、ここまでくると、行き過ぎ感が、感じられる様になってきています。

ドル円の52週移動平均線は、1年間の平均値で、この52週移動平均線から15%以上乖離すると、高値も安値も乖離線にタッチすると、反発するという傾向が、ここ数十年続いているので、今回も、下方乖離に一度タッチして、若干反発しているので、一定の行き過ぎ感が出ていると考えている。

2000年からのドル円の年間の値幅から見ると、一番動いたのは、2008年のリーマンショックのあった年で、その時は、25.1円動いていますが、今年は、6月までで、既に22.7円動いていており、かなり値幅が大きくなっていて、為替がこれだけ動くと、輸入物価などを通じて、経済に対する影響が非常に大きいので、このペースで年後半まで、倍動くかというと、やはり、やり過ぎではないかという領域に入ってきているので、過熱感が感じられる。

更に、もう一点は、ポジション動向で、アメリカのシカゴの商品市場における投機筋のポジションを見ると、過去10数年見ても、円買いポジションが、高水準に積み上がっている状況で、ここから更に円買いを積み上げると言うよりは、どちらかと言うと、過去の計測からは、解消に向かうと考えられる。

3.ファンダメンタルズの見直し
日米の景況感と、それに伴う金融政策の方向性が大きく、アメリカが利上げを模索して、日本は、金融緩和を模索するなかで、その方向性を反映して、2年債の金利差は、昨年あたりから拡大していて、本来は、米国の金利が上がって、日本の金利が下がる状況だと、ドル高円安であるが、リスクを反映して、ドル円はこれを無視する様な動きをしている。

9月20日から21日にかけて行われる日米金融決定会合の影響を考えると、これによりドル円相場も大きく動く事が予想されますが、日銀に関して言いますと、今回総括的な検証を行い、また次回10月31日から11月1日の会合では、展望レポートが発表されるので、いずれかのタイミングで、緩和をしてくるだろうというのが、ほぼほぼコンセンサスだという状況で、年内には、緩和をするだろうという見方が多いです。

アメリカのFRBに関しても、今回又は12月13日から14日の決定会合で、年内1回程度の利上げに踏み切りたいのではないかという見方が、強い状況なので、ドル円は、下支えられて行くと考えているそうです。

日銀の予想される金融緩和には、国債購入の柔軟化(80兆円->70兆円~90兆円)が考えられるが、これだけでは、市場は物足りないと見て、円買いになる可能性もあり、マイナス金利の深掘りや、債券の購入対象拡大等に踏み切れるかどうかに、注目している。

日経モーニングプラス|BSテレ東



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